『さくちゃん!』


度々思い出していた声は、本当は『サキちゃん』だったなんて。


はじめて会った小春にまで、女だと思われてたなんて……。


はあああ……情けねえ。


俺だと知ったらがっかりするか?


あーくそ。


俺はどうすればいいんだ?


待てよ。


小春は夏祭りに行くんだろ?


そのときサキちゃんが現れなかったら……。


ショックだろうな……。


夜通しそんなことを考えていたら、その夜は全然眠れなかった。