「小春ちゃんてお料理得意だったんだね! 昨日はごめんね。ヘンなもん食べさせちゃって」


希美さんはペロっと舌を出す。


「そんなことないですっ。それに、私も全然得意なんかじゃないですって」


「謙遜しなくていいのよ~。これじゃあ、アンタもガッツリ胃袋掴まれちゃってんじゃないの~?」


「ブッ」


すると、お茶を吹きだす朔くん。


「私は歓迎よ~、小春ちゃんならっ」


「え? なにがですか?」


なんのことだろう。


首を傾げた私に。


「小春はわかんなくていいから」


軽くあしらう朔くん。


なんのことかちょっと気になるけど……。


「朔くんも雑炊食べる?」


「ああ」


それから3人で、少し遅い朝食をとった。


食べ終わると希美さんは、約束があるみたいで帰る支度をはじめた。


「そうそう」


すると、思い出したように、希美さんがバッグをあさって。