「大丈夫だって、風邪なんて引いたことないし」


そうは言っても……。


「ねえ、和室にお布団敷いてもいい?」


「いーけど……。ほんとに放っておいていいのに」


「お仕事してきて疲れてると思うし、ちゃんとお布団で寝ないと」


私はリビングの向かいにある和室へ行き、押し入れから布団を出して敷いた。


これで、よしと。


でも問題は。


どうやって希美さんを運ぶか、だ。


「あのー……」


リビングでテレビを見ている朔くんに、恐る恐る声を掛ける。


「ん?」


「布団敷いたんだけど、希美さん、運んでもらえないかな」


だって私には絶対にムリだもん。


「……わかったよ」


朔くんは、希美さんを軽々抱えると和室まで運んでくれた。