「あ?」


「だって、せっかく一緒に住むなら仲良くしたいと思ってたから……。学校でのなが……朔くんはちょっと怖くて……あっ、ごめんね……。でも、家での朔くんはそんなことなくて」


サラリと朔と呼ばれたことに、胸がドクンと音を立てる。


ダチや家族から呼ばれるのとは違うそれに、なんだか体がむず痒くなってくる。


「だから、これから改めてよろしくおねがいします」


そうやって頭を下げる小春に、俺は、なんとなく懐かしさを思い出すような心地よさを感じていた。