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学校内へ入ってみても、変わったことは見当たらなかった。


エレベーターはしっかりと閉ざされていて、しっかりとロープがはられている。


どうすれば美知佳を助けることができるんだろう。


自分の無力さに膝を折りそうになったとき、担任の先生が険しい表情で近づいて来た。


今日は休みの日だけど、先生は仕事があったみたいだ。


思わず、視線をそらせてしまう。


「お前ら、またこんなところでなにしてる!」


怒鳴られて一穂が一瞬萎縮した。


でも待てよ?


これは信じてもらえるチャンスじゃないか?


そう考えた俺はすぐにスマホ画面を先生に見せることにした。


このビデオ通話を見れば、嫌でもエレベーターでなにが起こっているのか理解するはずだ。


「これを見てください!」


「なんだ……?」


先生はスマホ画面を見て怪訝そうな表情を浮かべている。


こうしている間にも美知佳は怖い目にあっているはずだ。


一刻も早く先生を味方につけて助けだしたかった。