目を覚ました時、あたしは全身に痛みを感じて顔をしかめた。


動いてみようとしても体はロープで固定されていて動けない。


またミノムシ状態に戻ってしまったみたいだ。


前回は千恵美の仕業だったけれど、今回は智樹の仕業だ。


智樹はあたしの従順な犬だから、油断してしまっていた。


あたしは強く下唇を噛みしめた。


こんなことになるなら、千恵美のように胸くらい触らせておくんだった。


後悔したとき口は拘束されていないことに気が付いた。


周囲を確認してみると、灰色のコンクリートがむき出しになっている6畳のほどの部屋だということがわかった。


全身が痛かったのは、コンクリートの床に直接寝かされていたせいもあるみたいだ。