お蔭で、最近は一緒に食事をとる事ができるようになっていた。


いずれは両親がいない時間はロープも外して置けるようになるかもしれない。


「美味しい?」


オムライスを武の口に運んでそう訊ねる。


武は頷いて「すっごく美味しいよ」と、答える。


こんな当たり前のやりとりに、あたしはずっと憧れていたのだ。


「今日は体を拭いてあげるね。汗とかかいてるでしょ」


「うん。ありがとうノドカ。ごめんな、全部やらせちゃって」


武は申し訳なさそうに顔を伏せている。


そんな武を見ていると愛おしさが込み上げて来る。


俄然守ってあげたくなるのだ。


「武のためならなんだってやってあげる。だから武も、遠慮なくあたしに甘えてね?」


「うん。わかったよ」


武は笑顔で返事をして、あたしの作ったオムライスを食べきったのだった。