「と、とにかく保健室!」


あたしは立ち上がり、震える声でそう言った。


どうして突然血が流れたのか理由はわからないが、手当てをしてもらう必要がある。


「あ、あたし保健委員だから!」


敦美が自分の役割を思い出したように手を上げてそう言った。


でも、男子生徒3人もいるんじゃ敦美も大変だろう。


「あたしも手伝う」


そう言って3人にかけよろうとしたとき、「待て!」と声がして振り向いた。


教室後方にいた平松浩二(ヒラマツ コウジ)が険しい表情で窓へと近づいて行く。


「もしかしたら外から攻撃されたのかもしれないだろ」


床に倒れ込んでいる3人は、確かに窓の近くに座っていた。


怪我のない生徒たちは、みんな窓から離れた場所にいた。


「外からの攻撃って、俺たちが狙われたって事かよ」


倒れている1人が苦し気に言った。


「わからないけど、でも確認してみないと……」


浩二が窓に近づいて顔を出す。


「ちょっと、気をつけてよ」