「このコップどうしたの?」


「調理室から借りて来た」


そう言い、新人は自分の分の水を飲んだ。


教卓の上にはあめ玉やカップラーメンが置かれていて、こんな状況なのに笑ってしまった。


「あれも、新人が持って来てくれたの?」


「あぁ。調理室を探したら出て来たんだ。カップラーメンなんて調理するものじゃないのにな」


新人はそう言い、呑気な笑い声を上げた。


「ん……千穂……?」


今の笑い声で眠っていた知枝が目を開けた。


その隣の敦美と恵里菜もほぼ同時に目を覚ます。


時計を確認してみると、午前8時だ。


みんなあまり眠れなかったみたいで、その顔は疲れている。


「おはようみんな」


「あ、そっか、学校なんだ」


周囲を見回してようやく状況を思い出す敦美。


恵里菜はまだ眠そうな顔をしている。