とても信じられる事じゃないからだろう。


あたしだってわかってる。


「もし風が原因だとしたら、早く他の子たちにも教えなきゃ!」


恵里菜の言葉にあたしは「えっ?」と聞き返してしまった。


まさか、2人とも信じてくれるとは思っていなかった。


「ただの憶測だとしても、あり得るよね。窓に近づいていないあたしたちは被害に遭ってないんだから」


敦美も、真剣な表情でそう言ってくれた。


「あたしたちは他のクラスの子に教えて来るから、利穂は目張りを続けてて!」


そう言って慌てて教室を出て行く2人。


その後ろ姿に、こんなときだけど嬉しさを感じた。


「ほら、早くやろう」


「うん」


新人に促されて、あたしは再びガムテープを手に取ったのだった。