その事実が、またあたしの気持ちを暗くさせた。


「でもこれで一歩前進できたんだ。この町に被害が出た瞬間からアプリの利用ができなくなったり、ダウンロードできなくなったのだって、この国が関与しているからだった」


新人は前向きな意見を伝えてくれる。


なにもわからないよりも、なにが原因だったか分かっていた方が気持ちは晴れる。


「もう、ユーキに写真を送る必要はない。国が相手なんだ。あいつに写真を送ってもなんの解決にもならない」


新人の言葉にあたしはビクリと体を撥ねさせた。


もしかして、新人はあたしのことを心配してここまで調べてくれたんだろうか?


「新人……」


「みんなのためによく頑張ったな。ありがとう」


新人はそう言い、あたしの体を強く抱きしめてくれたのだった。