それはまるで悪夢だった。


「なんで……」


窓の外にある木々が揺れている。


「風が吹いてる……」


あたしが呟くと、敦美が「え?」と、怪訝そうな顔をこちらへ向けた。


男子生徒3人が教室で倒れた時、窓は開いていて風が入ってきていた。


その後浩二が窓から顔を出していた時も、風が吹いていた。


そして先生たちが外へ確認しに行った時も、同じように風が吹いていたのだ。


「見てあれ!」


今度は恵里菜の声が聞こえてきてあたしは教室へと振り向いた。


恵里菜は青い顔をして窓の外へ指を差している。


「どうしたの!?」


慌てて駆けつけると、窓の外には走って校舎へ向かう生徒たちの姿があったのだ。


みんな体操着姿だ。