学校から出られなくなって、3日目の朝が来た。


目張りされた窓から入って来る朝日が眩しくて、目を細める。


「体中痛い」


「全然眠れないね」


図書室のあちこちからそんな声が聞こえて来た。


あたしも、一旦眠れたと思ってもその眠りは浅かった。


夜中に何度も目が覚めて、寝返りを繰り返している内に朝になってしまった。


みんな、同じようなものだった。


「おはよう千穂」


隣で眠っていた敦美が、周りの子を起こさないように小さな声でそう言って来た。


「おはよう。少しは眠れた?」


「まぁまぁかな」


そう答える敦美の目の下にはクマができている。


疲れと寝不足で、体は重たくなっていくばかりだ。