けれど、そこから2年後の春。 「小森、桃…です。今日から此方にお世話になります。宜しくお願いします」 いじらしいほど、くりくりした大きな漆黒の瞳と、それと同じ色の髪は透き通る水みたいにしなやかで…。 一目惚れ、という第一印象よりも先に、 「なんでまた、こんな野獣の巣窟に来たんだよ」 と、心配になってしまったのを覚えている。 でも、その心配は必要なかったらしい。 いや、元々が天真爛漫な性格な彼女のことを、無理やり自分のものにしようとするやつがいなかった…というのが、正解かもしれない。