ハッとして目を覚ました。


お腹が痛くて顔をしかめる。


思っていたよりもひどく蹴られたらしい。


目だけ動かして周囲を確認してみると、ここがいつもの自分の部屋であることに気が付いた。


ホッと息を吐きだし、それから笑みがこぼれた。


暴力を受けたのは初めての経験だった。


しかも、気絶するほど強く蹴られたのだ。


それでも2人はあたしを病院へ連れていかず、ここに寝かせただけだった。


そう考えると、なんだか笑えてきてしまったのだ。


ここで生きていくためには、もっともっと強くならないといけない。


もう頑張るのはやめて、誰かに助けを求めて2人を捕まえてもらうのもいい。


あたしがいつまでも従順な犬でいると思ったら、大間違いだ。