どうしてそんな顔をするの?


そう聞きたいけれど、聞けばツグミがもっと苦しむとわかっていたから、聞く事もできないままだった。


「おっはよーアユリ!」


教室へ入ると同時に後頭部を強く叩かれ、あたしは前のめりになった。


振り向くと夕子たち3人が立っている。


あたしはこの3人を見ただけですくみ上ってしまう。


「今日は色々変わってたでしょ?」


夕子にそう聞かれてあたしは首を傾げた。


「変わってるって、なにが……?」


「あぁ~そっか。アユリは記憶が消えたんだっけ? 今はあたしがペンを使ってるもんね」


夕子はそう言って満足そうに笑う。


だけどあたしには夕子の言っていることの意味がわからなかった。