目の前の男に苛立ちが湧いてくる。 待ってても誰も来ないんだよ。 口には出さないけど。 いや、いっそのこと私が本物の姫では無いことを言ってしまおうか? でも、そうしたところで先が良い方に変わるとも思えない。 もう何もかもを諦めてそう考えたとき、今までの気味の悪い下品な声以外の声が聞こえた。 「ねぇ、そこのお兄さん達何してるの?」 音楽を奏でるような綺麗な声に、いつの間にか下がっていた頭を上げる。