家出令嬢ですが、のんびりお宿の看板娘はじめました

ロザリーは根気よくボビー少年にランディの気持ちを説明した。興奮していた少年は、少しずつ落ち着きを取り戻す。

「私ももっと頑張って探しますね。ではお部屋はこのくらいにしましょう。他にこの宿の中で行った場所はありますか?」

「風呂だよ」

「さっき言ってましたね、お風呂でも袋を落としたって。フロントで預かってくれるのに、お風呂に宝物袋を持って行ったのはなぜですか?」

「だって誰にとられるかわからないもん」

「お風呂のほうがよっぽど危険な気もしますけど……」

「ずっと手に持っていたもん。大丈夫だよ。バンザイしながら入ったんだ。袋はお湯に入れてないし、中身もバラバラにはなってないよ」

ではお風呂を確認したいところだ。けれどボビーが入ったのは男湯なので、ロザリーは入れない。
ちらりと時計を見ると、今はまだ昼を過ぎたところだ。温泉に入る客は少ない時間ではある。

「ザックさん、ちょっとレイモンドさんに相談があるんですが」

「え?」

「お風呂を覗かせてほしいんです」

一瞬、ザックが変態を見る目でロザリーを見る。怯んでは肯定することになってしまうので、堂々と言い放った。

「覗きをしたいって言ってるわけじゃありません! 現場としてのお風呂を見たいので、人が入ってこないようにしてもいいか確認したいんですっ」

「ああ、だよな。焦ったー」

ザックからレイモンドに話を通してもらい、今入浴している人が出たタイミングで一度締めきることにする。