さてはて、部屋の検分である。
親子が泊っていたのは小さめの個室で、ベッドが二つ入ってそれでいっぱいいっぱいという感じだ。
ベッドは一つが窓際、もう一つが壁際にくっついている。
「ボビー君が寝ていたのは窓際のほうですね?」
「そう。そこの窓の桟に濡れた宝物袋を干していたんだ」
「中身は入ったままで?」
「うん。入れたまま置いておいた。朝にはちゃんと乾いていたよ」
「……ちょっと失礼しますね」
ベッドに乗らないと窓にも近づけないので、靴を脱いで布団の上を膝立ちで移動して匂いを嗅ぐ。
布団からは、ボビー少年とチェルシーの匂いがする。ベッドメイクをしたのだからそれは当たり前だろう。
ラベンダーの香りはほんのりとついているにとどまっている。むしろ窓の桟のほうが強い匂いを発している。
ここに干していたというのは間違いなさそうだ。
二つのベッドの間には小さな机があり、そこからも強くラベンダーの香りがした。
「ここで、宝物袋を開けたりしましたか?」
「したよ。朝にそこの机に広げて中身が確認したんだ。それで、硬貨が無くなってることに気付いたんだよ」
机にはランプがのっていて、後は本を一冊のせる程度の大きさしかない。だとすれば床にこぼれることもあるだろう。聞いてみると、小石やガラス玉は落としたけれど、拾いあげたとボビーは証言する。



