絶望の島

オレたちが小屋の外に逃げ出したとき、オレは背後の足音に気づき、振り返った。




すると、人間ともゴリラともつかない巨体の怪物が、ものすごい勢いで、オレたちを追ってきていた。




「あっ、怪物が追ってきた!」




心美のその言葉にみんなの体が震え上がった。




人間はコンクリートに囲まれた安全な空間を作り出し、そこで知的な生活を営む道を選んで生きてきた。




その知的な空間には、もちろん猛獣はいない。




オレたちはいつまでも、そのセーフティな空間の中で、生き続けられると思ってた。




だけど、今となってはそれも幻想だ。




逃げなくちゃ、殺される。




オレたちはそんな原始的な生命の危機にさらせれ、全力で走り続けた。