それから休日までは早かった。


男性と会う日にちが近づくにつれて緊張は高まって行く。


夏生が一緒に来てくれなければ、途中で断っていたかもしれない。


「里菜!」


約束場所には夏生が先に到着していた。


ジーンズとTシャツという動きやすい格好だ。


あたしも似たようなものだった。


これから男性と会うなんて思えないくらい、シンプル。


「緊張するね」


2人で歩きながらあたしはそう言った。


男性との約束場所は駅だった。


もうすぐ、男性が乗っている電車が到着する。