「里菜、一緒にお昼食べようよ(一応友達だし?)」


美穂の声にあたしは顔を上げた。


美穂は片手にお弁当を持ち、近づいてくるところだった。


「うん……」


本当は夏生と2人で食べたいのだけれど、昼休みになった途端夏生は1人で教室を出て行ってしまった。


なにか用事があったのかもしれない。


「なに? つまらなそうな顔して(言いたい事があるなら言えば?)」


「そんなことないよ。お腹へった!」


あたしはわざと大きな声を出して美穂の言葉をかき消した。


もうなにも聞きたくない。


教室にもいたくない。