「なにこれ」


そう言って画面を見てみると、子猫がクマのぬいぐるみにジャレている動画が流れ始めた。


真っ白な毛並の子猫が一生懸命に遊んでいる。


たったそれだけなのに、可愛さは破壊的だった。


「なにこれ可愛い!」


思わず大きな声でそう言っていた。


「でしょ!? 今みんなで拡散してるの」


「しようしよう! もっと沢山の人に見てもらいたい!」


あたしはそう言い、スカートのポケットからスマホを取り出した。


その時だった。


突然横からスマホを奪われて、唖然としてしまった。


見るといつの間にかリナが立っていて、青ざめた顔のままジッとあたしたちを睨み付けているのだ。


咄嗟には声が出なかった。