黒スーツの男たちが出て行ったタイミングで瑠菜を助け出すんだ。


誰にも気が付かれないよう瑠菜へ視線を向ける。


瑠菜は俺に気が付いていなようだ。


テーブルから身を引いて部屋を出ようとした時、ノックもなしに客室のドアが開かれた。


その訪問は誰もが予期していなかったことのようで、全員が顔を上げた。


俺はそこに立っている人物に目を見開き、棒立ちになっていた。


「約束通り2人連れて来た。妹を返してちょうだい」


そう言ってミホコと伸紀を突き出したのは、高原先生だったんだ……。