☆☆☆

2階男性が来ることは本当にない事らしく、ドアを開けた瞬間女性たちの視線が痛いほどにつき刺さって来た。


けれど動揺を見せないように笑顔を浮かべる。


「今、施設の関係者に呼ばれたんだけど」


「施設の関係者って?」


「教官の事?」


どこからかそんな声が聞こえて来てヒヤリとする。


「あ、あぁ。教官の事だよ」


伸紀がすぐに頷いた。


「で、白鳥さんって人を一緒に連れて来るように言われたんだけど」


そう説明しながら食堂の中を見回す。


ミホコの姿がどこにあるのかわからない。


「白鳥さんって3日前くらいに来た人?」


「彼女なら部屋にいるよ。まだこの生活に慣れてないんだ」


金髪の女性が無表情でそう教えてくれた。