販売部の人間と約束を取り付けた後は、その日が来るのをひたすら待った。


学校にいても、バイトをしていても、頭の中は販売部の人間と会う事で一杯になっている。


自分の価値がわかる日が近づいているのだから、当たり前だった。


俺が1人で緊張している間、ミホコは学校を休んでいた。


先生の説明では夏風邪をひいてしまったらしい。


夏の風邪は長引くから気をつけるようにと、クラスメートを見回して言っていた。


少し気になった俺はミホコに連絡を入れてみたけれど、眠っているのか、返事がくることはなかった。


それから数日後、ついに約束の日になった。


俺は前日からなかなか寝付く事ができず、ベッドの上で寝返りばかりをうっていた。


ようやく寝付けたのは朝日が昇った頃だった。


昼には準備を整えて家を出た。


ほとんど眠っていないのに、眠気なんて感じなかった。