パッとその顔を見ると、さっきまでの怒っていた表情はどこにもない。 「今度は俺に付き合え」 「な、何にですか」 体に力を入れて構えた瞬間、空気が変わり見知らぬ路地裏が自分の元へと吸い込むように強い風が私の背中をグイグイ押した。 そして、掴まれた腕を引っ張られそのまま路地裏へと走り出していた。 「遅い」 そう言われて、嘉さんが抵抗する間もなく私を抱き上げた。 そのまま嘉さんは強く地面を蹴り、宙を舞う。 路地裏の景色がどんどんと歪んでいく。