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「うそ……」


あたしは思わずそう呟いた。


目の前に入るテンちゃんは「本当だよ」と、笑顔でポイントカードを差し出してくれた。


そこには全部で36個の花丸スタンプが押されている。


「今日の『幸せポイント』は30個。とってもよく頑張りました」


テンちゃんはそう言い、あたしの頭を撫でた。


その感触がくすぐったくて身をよじる。


でも……信じられない。


あたしはカードを見つめて大きく息を吸い込んだ。


1日でこんなに沢山のポイントを貯めただなんて、まるで夢みたいだ。


「休日の駅を選らんだのは正解だったね。あそこには困っている人が沢山いるから」


「うん……うん。そうだね」


あたしはテンちゃんの言葉に何度も頷いた。


そしてテンちゃんを見る。


「例えばさ、明日も明後日もずっと駅で人助けをしていれば、100ポイントなんてあっという間に貯まるよね?」


あたしは目を輝かせてテンちゃんを見た。


「そうだね。そうかもしれないけど……」


テンちゃんが不意に真面目な表情になってあたしを見返す。