3人で歩きながら、お母さんが昔を懐かしむようにそう言った。


「あぁ。自分の事より他人を優先する子だったなぁ」


お父さんも同意して頷くので、あたしは首を傾げた。


「そうだっけ?」


「そうよ。近所にいたマックって覚えてる?」


そう聞かれて、あたしは3軒隣の家にいた茶色い雑種犬の事を思い出していた。


毛が長くてスラリと背の高い犬だった。


「覚えてるよ。もう何年も前に亡くなっちゃったけど」


マックが死んだ時は、あたしも家に呼んでもらい、一緒に土に埋めたんだ。