「学校でなにかあったの?」


あたしを睨んだまま、お母さんがそう質問をしてきた。


「えっと……別に……」


「別に!?」


グイッと顔を寄せられて、あたしはベッドに座った状態で後ずさりをした。


だけど逃げる事はできない。


ベッドの後ろは壁だから。


「し、心配するようなことは、なにもないよ」


慌てて言い直すと、お母さんの表情に少しの安堵が広がったのがわかった。


安心して解放してくれるかと思いきや、お母さんが立ち去る気配はなかった。


「高校に入学してから毎日つまらなさそうじゃない」


「そ、そんなことないよ」


ズバリ確信を付かれて戸惑いながら、一生懸命否定する。