死ぬことがこんなに大変だなんて思わなかった。


事前に知っていれば、ダラダラとした日常を今もまだ続けていたのに。


「死んだら楽になるなんて、迷信だったんだ」


すんなり天国へ行ける人だけが楽になれるのだ。


そうじゃない人はみんな、あたしみたいになるか、地獄で苦しむかの選択になる。


そう考えてみると、天国へ行ける確率の方が低い事に気が付いた。


あたしはキツク目を閉じて寝返りをうった。


あたしは『幸せポイント』を100ポイントためる事ができるんだろうか?


できなかったら、地縛霊だ。


それは嫌だったけれど、それを考える事すら億劫に感じ、気が付けば深い眠りの中に落ちていたのだった。