それからあたしと渉はご飯を食べ、中庭で時間を潰していた。


あたしは教室に戻りにくい事をちゃんと察してくれているようだ。


「そういえば、少し気になる事があるんだ」


渉はそういうとポケットから写真を撮り出した。


食後に見たいと思えるものじゃなかったけれど、あたしはそちらへ視線を向けた。


「今朝、理子の顔が青ざめてるっていうのはお前らの会話で気が付いた。でも、これも変化してたんだ」


一瞬、モヤのことだろうかと思った。


モヤは写っているメンバーになにかが起こるたびにその姿を濃くしている。


まるで、メンバーの命を吸い取って自分の体を形成しているようにも、見えなくはなかった。


けれど、渉がさしているのはそれではなかった。


渉の人差し指は愛子を指していたのだ。


「え……?」


あたしはグッと身を乗り出して写真を確認した。