そこでハッと気づく。 これ……誰の論文……? 見ていたのは2枚目。 めくられていた1枚目を上にかぶせた。 名前を確かめれば、この不思議な現象の謎が解けるかもしれない。 期待の様な、恐怖の様な……わけのわからない感情が入り混じりながら、これを書いた人の名前を目にしたとき。 全てが、無になった。 「ど……ゆう……こと?」 その名前から、目が離せなくなる。 だって。 そこに書かれていた人の名前は ───"水瀬蒼"