こくおうさまのすきなひと


「ミネア王妃、お時間です。夜会の支度に入りましょう」


夕刻近くになり、ティアが何人かの侍女を引き連れ、部屋へと訪れた。

まだ本は読み切れていなかったが、仕方なく本を閉じ準備に入った。

「もうそんな時間なのね。時が経つのは早いわ」

「王妃様、そんなに心配されなくても大丈夫ですわ。アーネストでしっかりとお勉強されていたのですから、自信をお持ち下さい」

「そうは言ってもね……。心配なものは心配なのよ」


ティアとそんな話をしながら、湯浴みへと向かう。

丁寧に身体を洗い、香油を肌に染み込ませた。

アーハイムで精製されたというこの香油は、ため息が出るほど、とてもいい香りを放つ。


湯浴みの後は、顔の隅々まで化粧を施され、しっかりと髪を梳かされて纏め上げられる。

そして、纏め上げた部分には華やかな飾りが付けられた。


今宵は肩がぐるりと開いた、プリンセスラインのドレス。

胸元から足元に掛けてグラデーションがかかっており、その色は私の瞳の色と同じターコイズプルーだった。