こくおうさまのすきなひと


「今日は少しゆっくりとしてしまったな。悪いが、朝食はひとりで摂ってくれるか?私はこのまま公務へと向かわねばならない」

国王様は寝台から起き上がると、背もたれに掛けられていた上着を羽織りながら言う。

その時、ある事に気付いた。


あれ?

……もしかして。


「もしかしてアルス様、私がアルス様の腕にしがみついて離れなかったものだから、起きられなかったのですか……?」

私は恐る恐る聞いた。

もし仮にそうだとしたら、私は……!


「起こしては可哀想だと思ってな。気にする必要はない。私もこの所休む暇もなかったから、逆に都合が良かった」


ああ!やっぱり!
なんて取り返しのつかない事を!!


「本当に申し訳ありません!!」


私は寝台の上で、布団に額を擦りつけるようにして必死に頭を下げた。


王妃という身分でありながら、国王様の公務の時間を邪魔してしまうとは、何たる失態!

このようでは、私は王妃である資格なんてないわ……!