3日ぶりに夫婦の部屋に訪れた国王様に、ドキリと心臓が跳ねる。

それとともに、どこかしら安心してしまう自分がいた。


国王様はゆっくりと私の座る場所へと歩みを進める。

そして、机に置かれた手紙に目線を向けた。


「手紙を書いていたのか」

「はい。このような状況で送れるかは分かりませんが、家族に手紙を書いておりました」

「分かった。明日アーネストへ向かう騎士に持たせよう。大丈夫だ、まだ始まってはいない」


国王様は、着ていた軍服の上着を脱いで、ソファーの背もたれに無造作に掛ける。

そしてそのまま寝台へと横たわった。



あの日以来、この部屋に訪れなかった国王様。

それほどまでに毎日忙しかったのだろう。

暗くてあまり見えてはいなかったけれど、国王様の顔には確かに疲れの表情が出ていた。



「……どうした?」

「え?」


「寝ないのか?」



椅子に座ったまま動かない私を心配してなのか、国王様が声を掛けた。