アーハイム国、第16代国王、アルス・ウェイル・アーハイム。



これが私の名と、肩書きである。


去年、私の父である前国王が急な病でこの世を去り、齢22歳にして国王となった私。




次期国王の身であったとはいえ、そう早く父が亡くなるなんて思ってもいなかった私は、それまで誰にも縛られることのない気楽な生活を送っていた。


……いや、周りは次期国王としての教養を叩き込みたかったのだろうが、それを疎ましく感じて逃げていた、というのが正解だろうか。


まさかこんなにも早く国王になるとは思ってもみなかった。



いかんせん全てが急であったから、国王としての心構えも、ついでに私の伴侶もいないまま国王の座についてしまい、結果、これまでのツケが全て今私に降りかかっている状態だ。