エントランスへと行くと、既に両親とアレイズ達が私が来るのを待っていた。

外にも馬車が何台も止められていて、侍従達が忙しそうに荷物を載せている。


私は真っ先に両親の元へと歩み寄った。


「お父様、お母様……」

「お前が幸せになれる事を心から願っているよ、ミネア」


「本当にごめんなさいミネア。でも、あちらの国王はとても良い方だと聞いているわ。きっと、あなたも素晴らしい王妃になれるはずよ。元気でね」


父も母も、言葉とは裏腹に表情は冴えない。

寂しいと感じているのがひしひしと伝わって、胸が苦しくなる。


「おねえさまぁ~……」

そしてレイラは泣きはらした顔で、私に抱きついた。

私はよしよしと頭を優しく撫でながら、レイラに語り掛ける。


「レイラ、しっかりとこの国の王女としての教養を身に付けるのよ。もう私が教える事は出来ないけれど、あなたの周りには沢山頼れる人がいるから……。着いたら手紙を書くわ。大丈夫、離れていてもずっとレイラの事を思っているからね」


「うわああん、お姉さま!嫌です~!寂しいです~!!」



そう言うとレイラはまた泣き始めてしまい、離れなくなってしまった。


キリがないと思ったのか、母が無理矢理レイラを引きはがし、そして抱きしめながら宥めていた。