こくおうさまのすきなひと


「――アルス様」


後ろから愛しい妻の聞き慣れた声がし、私は振り返った。

緑鮮やかな草原に立つ私の妻は、ふたりの子を生んでもなお美しい。


トクンと胸がときめくのはいつものこと。

それは結婚する前から今でも変わらない。


「こんなところにいらっしゃったのですね」

「ああ、今日は暖かくとてもいい天気だ。たまには子たちとも一緒に遊んでやらんとな」

「午後からもお仕事が沢山あるのでしょう?あまり無理をなさらないで下さいね」


私を気遣う言葉を告げ傍へ寄ると、そっと腕を絡める。

たまに見せるミネアの積極的な行動に、私の心臓は一気にはち切れんばかりの激しさをみせた。


「……でも、こうやって少しでも同じ時間を共有できることが、とても幸せです」


ミネアは走り回る私たちの愛する子供たちを目を細めて、そう呟いた。

その言葉が嬉しくて、つい顔が緩んでしまう。


「ああ、私も同じ気持ちだ。ミネアと子供たちが傍らにいて、これほどまでにない幸福を味わっている。この幸せを無くさぬよう、私は何が何でもこの国を守るぞ」

「アルス様」

「なんだ?」

「愛しています、これからもずっとこの気持ちは変わりません」