こくおうさまのすきなひと

……とまあ、これまで私の周りにいる者たちのそれからを思い返していた訳だが。

私たち夫婦も、ここに至るまでなにもなかったわけではない。

もちろんミネアの懐妊、出産という大きな出来事もあり、特に長男を出産する際は難産で、一時は命の危険もあったくらいだった。

あの時はもう絶望の淵に立たされ、私は必死に神に祈った。

私の命に代えても、どうかミネアと子だけは助かってくれと、泣きながら取り乱していたもんだ。

そんな私の大きな支えになったのは、何を隠そうロバートである。


『国王!あなたがそんなに弱い心でいてどうするのです!今王妃は必死に戦っているのです、あなたが傍にいて支えになってやらなくてどうするんですか!!』


そう私に激をとばす。

私は何も出来ない。
祈るだけしか出来ない。


しかし祈るだけではだめだと、傍にいてミネアを支えてやるのが、夫が出来る唯一のものであると言って、私を奮い立たせてくれた。

それから私は必死に痛みに耐えるミネアの傍で、その瞬間が来るまでミネアの手を握り、背中をさすり、安心出来るような言葉を掛け続けた。


大丈夫だ、必ず子は元気に生まれてくる。

私たちにとびっきりの笑顔を向けてくれるだろう、と。