『本当に申し訳ございませんミネア王女様っ……!私の行為が許されるものではないと、よく理解しております。ですがどうしてもこの気持ちが抑えられず……。私もロア様のことを愛してしまったのです。許して貰わなくても構いません、ですがどうか……!』
『何を言っているの、ティア。私は大丈夫よ、だって隣にアルス様がいるんですもの。……それにティアが幸せになってくれることがとても嬉しいの。私のために家族をアーネストへ残し、一緒に来てくれて、それは私にはとても心強かったけれど、でもティアの幸せを思うと心苦しかった。だから、許すも許さないもないわ』
『王女様……』
『ロア様と共に、幸せな家庭を築くのよ、ティア』
それからティアはミネアの侍女を辞め、私たち兄弟の母の元へと移り住んだ。
今までミネアのお世話をしていて、ある程度のマナーや貴族の事情は知ってはいるだろうが、知識や振る舞いに関してはほぼ分からないと言ってもいいだろう。
その部分を、母が直々にティアに教えるという。
母はロアとティアの結婚に関して、反対はしなかった。
むしろどこぞの令嬢ではなく、侍女に目をつける辺りがロアらしいと笑い、祝福しているようだ。
貴族や王族の世界は、なかなか一般庶民には考えられないような世界ではあるかもしれないが、ミネアの傍にいたティアのことだ、きっと乗り越えられるだろうと思っている。
ロアのために必死に勉強に励むティアを見て、ロアはますますティアへの思いを深めているようで、私に話す内容は専らティアとの惚気話である。
ロアとティアの詳しい経緯については、落ち付いた頃、いずれロアが語ってくれるだろう。

