そして弟のロアに関しても、そろそろ身を固める準備が整いつつあった。

相手はなんとまさか、ミネアの侍女であったティアである。


ロアにそのことを打ち明けられた時は、とても驚いた。

思わず腰を抜かしてしまいそうになってしまったくらいだ。


『お、お前いつの間にティアとそんな仲になっていたというのだ!?』

『うーん、いつからだろう?接点を持ったのは兄さんと姉さんが結ばれた日?かな。……まあ色々あったんだよね。どちらかと言えば、俺が押し切ったというか』

『……だろうと思った。お前にはこうと決めたら強引なところがあるからな。ティアがそう簡単にお前を受け入れるはずなどない』

『そりゃあね、身分の差が激しいから。でも俺は国王になるわけでもないし、結婚くらいは好きなようにさせてくれてもいいでしょ?もちろん周りから反対されるのは目に見えてる。だからこそ兄さんの力が必要なんだ。断らないよね?だって兄さんには俺に対してそれなりに借りがあるはずだから』

『……私を脅すとは大したもんだな』

『あはは、脅してなんかいないよ。これは"お願い"。……というわけだから、根回しよろしくね』


……相変わらず策士な奴め。