「……おはようございます、国王」

「……うむ」



執務室に入るなり、ロバートが薄っすらと笑みを浮かべて挨拶をする。

私は少し恥ずかしく思いながら、敢えていつも通りの返事をする。


昨晩の事に関しては、言わずともどんな結果になっていたか、薄々分かっているのだろう。


心なしか城の中も明るくなったように思う。

それは私が単にミネアと気持ちが通じ合えたという喜びから、そう思うだけかもしれないが。



ミネアはまだ寝台の中で横になっている。

病み上がりもさることながら、結ばれた後の身体への負担は相当なものであるから、今日一日はゆっくりと休ませてやるつもりだ。


アレイズはあの後ロバートと何故かロアまで参戦し、あの場所で懇々と諭され、渋々であるが納得したらしい。


言わば姉離れ出来ていない弟の暴走。

しかし、それだけミネアは愛されている。


いつまたアレイズが同じような事を言ってくるか分からない。

不安に思わせない為にも、ミネアを幸せにしなければならないのだと思った。