――その後、私達は部屋へと戻った。

部屋には私とアルス様のふたりだけ。

ティアもロバートも、近くにいるはずの側近はだれもいない。


寝台に腰を掛け、互いに見つめ合う。

国王様は私の髪を片手で撫でながら、もう一方の手は私の手の上に重ねていた。


重ねられた手から伝わる、アルス様の体温。

その温もりを感じられる事が、とても嬉しく思える。



……私が国王様に気持ちを伝えた後、酷く困惑するアレイズを横目にアルス様は私をその場で横抱きにする。

すかさずロバートが部屋の扉を開けた。


『……と言う訳だ。これからも私達は一緒だよ。心配するな、ミネアは私が必ず幸せにする』

『なっっ……!』


激高するアレイズをロバートが抑え、国王様は私を抱きかかえたまま部屋を出ていった。

廊下にまでアレイズの声が聞こえていたが、国王様は全く気にしていないようだった。


冷静を装っていたようだけれど、耳もさることながら顔まで真っ赤。

どことなく嬉しそうな表情を浮かべている。


そんな国王様を垣間見て、心の中がほわりと温かくなった。

私と国王様は同じ気持ちなんだって、それは嘘じゃなかったって、私まで嬉しくなる。