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……夢を見ていた。


それはとても幸せな夢だった。


私の隣にはミネア。

ミネアは私の腕に手を絡め、もたれかかっている。


色鮮やかな花々。

空は一面の青。

そして時折囁くような、心地よいそよ風。


妖精の如く、蝶々がその花達と共にまるで踊るかのように饗宴している。


ミネアは私の隣で微笑んでいた。

『アルス様と出会う事が出来て、一緒にいる事が出来てとても幸せです』と、そう呟く。


嬉しさと切なさが込み上げる。

こんなこと、現実に起こるはずがない。


夢だと分かっていても、その喜びは計り知れないものだった。


――夢なら、夢でいい。

夢の中でミネアと愛し合えるのなら、それで十分だ。



最後は私とミネア、ふたりで笑い合っていた。

『私も幸せだ』とそう話そうとした時、ミネアの顔がかすれて消えていく。


……待ってくれ!

私はまだミネアに伝えていない!


好きだ、愛している。

ミネア、私はお前を――……!!