こくおうさまのすきなひと

政略結婚はなんとも残酷なものだろう。


ミネア達だけじゃない。


同じように家の為国の為に嫁ぐ者、そしてその者に付いていく者も、みな同じように苦しみ、悩んで、そして自国を捨て嫁いでいく。


様々な覚悟と犠牲の上で、彼女達は国へとやって来る。



彼女達の気持ちをもっと早くに分かっていれば、私は彼女達を悲しませるような行動をしなかっただろう。



今更後悔してもどうしようもないが……。




「着替えが遅くなってしまって申し訳ありません」



ナイトドレスに着替えたミネアが、奥の部屋から戻って来る。


身体のラインが薄っすらと分かる白のドレスに、下ろした艶やかなブラウンの髪が、ミネアの動きと共にさらさらと揺れた。


毎日見慣れているのに、その姿を見るたびに心が高鳴る。

抱きしめたいという衝動に駆られるのも、毎回の事だ。


それを気付かれないよう、なるべく冷静を保ちながら、私は寛げていた身体を戻し、ソファーから立ち上がった。