次の光は白だった。


浩志の姿が浮かび上がって来る。


浩志は右手に奏の写真を握りしめて、走っていた。


真っ直ぐ真っ直ぐ懸命に走る。


浩志ならすぐに車を出してくれるお手伝いさんがいるはずなのに、自分の足で走って行く。


その光の中に奏の家が見えて来た。


奏の家が見えて来た時、浩志は更に足を速めた。


奏が財布を片手に玄関から出て来る。


すぐ近くに行くようなラフな格好だ。


浩志に気が付き、足を止めて目を見開く奏。


息を切らして立ち止まる浩志。


2人は見つめ合い、同時に何かを言った……。