「あなたは誰?

どうして私の部屋にいるの?」




私は、ベッドの下から私を見上げている顔が青白い男の子にそう叫んだ。




するとその男の子は、表情一つ変えずに、私を見て、話しかけてきた。




「僕は、和宏。

復讐アプリは僕が作ったんだよ。

お姉ちゃんは、復讐アプリのヘビーユーザーでしょ」




「あなたが復讐アプリを作ったって、どういうこと?

だって、あなたは子供じゃない?

そんなことって、無理でしょ」




「お姉ちゃん、僕は毎日、思ってたんだよ。

憎しみを拡散させたい。

憎い相手に復讐したいって……。

だけど僕は、14歳のときに、イジメに耐えきれなくて、自殺したんだ」




私は和宏のその言葉に息をのんだ。




和宏が自殺したって、どういうこと?




やっぱりこの子は幽霊なの?




「僕は死んでから、やっと自分の夢を叶えたんだ。

憎い相手に復讐したい。

他人の手を借りてでも、絶対に!

それが僕の理想の世界、復讐アプリなんだ」




和宏は私と話している間、一度もまばたきせずに、私の顔を見ていた。