復讐アプリ

「ようこそ黒アゲハさん、オレのグループチャットへ」




私と同じくらいの年の背が低い男が、不気味に笑いながら、私にそう言った。




私は、急に現れた見知らぬ男に話しかけられると、ゾッとして、鳥肌が立った。




「あなたは、誰ですか?」




そう言った私の声は、上ずっていた。




「黒アゲハさん、何をとぼけたことを言ってるの?

オレだよ、オレ。

タツヤだよ」




タツヤという名前を聞いて、私は目の前にいる背が低い男が、やっと誰だかわかった。




この背が低い男は、復讐アプリで、私の最初のフォロワーのタツヤだ。




私とタツヤは、サイト内だけでの付き合いで、リアルに会うことなんてないと思っていた。




私はできることなら、復讐アプリというサイト内の誰とも関わりたくはない。




私は本当に、復讐アプリから逃れたいから。