復讐アプリ

私の背中に当たったのは、ステンレス製の手摺だった。




そして私が、その手摺の向こう側に目を向けると、遥か下の方に校庭が見えて、
私は自分が校舎の屋上にいることに気づいた。




「復讐のシナリオ!」




羽生先輩が、憎しみのこもった声でそう叫び、私に近づいてきた。




「渡瀬理恵は、自分が好きだった羽生雅人にハンマーで頭を殴られる。

そして、渡瀬理恵は……」




「羽生先輩、止めて下さい。

私は、復讐アプリとは、関係ないから……」




「復讐アプリのヘビーユーザーたちに、校舎の屋上から突き落とされる。

渡瀬理恵は、地面に頭を強打して、死亡する」




私は、自分への復讐のシナリオを聞くと、膝がカタカタと震えて止まらなかった。




私の知っている限り、復讐のシナリオがリアル化されなかったことは、一度もない。




だとしたら、私は……。